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コンピューターソフトと速読




コンピューターソフトと速読 コンピューターソフトを使用し、速読を修得するプログラムを持つ速読教室もいくつかあるようでです。みそとしては、コンピューターソフトを使用しまいが、使用しようが、速読を修得できるならば別に構わないと言うのが本音です。なぜならば、あくまで速読を修得することが目的であり、ソフトを使用すると言うことは、目的を達成する手段に過ぎないと私は考えるからです。

ところで、ある方より面白い質問をいただきました。その内容は、コンピューターソフトを使用する場合の意義と問題点なのですが、結構複雑な問題なので、答えにくい側面もあります。その理由は、コンピューターソフトを使用する速読教室の著作権やノウハウが、この問題に答えると抵触する側面があると思われるためです。

そこで、今回のこの質問に対しては、あくまでも一般論としてお答えしたいと思います。 まず、コンピューターソフトを使用することの意義ですが、これはかなりあると思います。

一番大きい意義は何かと言いますと、それは自習用に極めてコンピューターソフトは便利だという事です。SRR(寺田さんが作成されたソフト)に代表される自習用速読修得ソフトを見ていただければ分かりますが、コンピューターソフトを使用することで、一歩間違えると砂をかむような速読の練習が楽しくできるという事です。 寺田さんのソフトはこの楽しく練習するという観点から見ると極めてよくできたものだと思っています。私も使用させていただいたのですが(あくまで、モニター使用です。ごめんなさい、寺田さん)、非常に楽しく練習できる内容となっていました。豊富なメニューと訓練工夫の工夫、そして速度の調整は、ユーザーが楽しく練習ための諸要素を満たすものと言えるでしょう。 特に、文字を一定のペースで読んでいくと言うことは、速読を習い始めた頃だと、苦痛なものです。その苦痛を軽減すると言うことが、速読修得用のコンピューターソフトが持つ、最大のメリットだと思います。

次に、ソフトを使用することの意味と申しますと、インストラクターの側から言いますと、ソフトを使用することで、一日の訓練の計画ことが立てやすくなります。何が言いたいかと申しますと、速読の訓練というのは、各自それぞれの人が少しづつですが、バラバラの内容の訓練を行っています。同じ様な訓練を隣の方がやっていたとしても、実を言いますと全く異なることをしていただいている場合が多いのです。つまり、受講生の方のそれぞれの問題点が大枠では同じとしても、細かい点で少しづつ異なるため、それぞれ異なった課題をしていただく事となります。

しかし、適切な課題を与えるという作業は、一見簡単そうなのですが、なかなか難しい所があります。多分、どんな速読教室でも一定のマニュアルが存在するのでしょうが、そのマニュアルが使いこなせるようになるためには一定の能力や経験が必要となります。 この様な経験や能力を、コンピューターソフトは補う役目を果たしうるという側面があると思います。特に、ソフトをメインとして訓練を組み立てる場合、ソフトの内容がきちんとしたものならば、インストラクターとしては非常に訓練が組み立てやすくなると思います。

このことを受講生の方の側から見てみると、インストラクターとの相性という問題に悩まされる事が少なくなると思います。つまり、ソフトを使用することにより、最低限のインストラクターが持つべき質が維持され、例えどのインストラクターにあたったとしても、どのインストラクターにあたったとしても、インストラクターの違いにさほど左右され、その違いに悩まされることがなくなると思われます。

「じゃあ、デメリットはないか」と聞かれると、あると言えば、あると思います。 これは、デメリットと言うよりも、コンピューターソフトの限界とも言えると思いますが、結局ソフトは補助的な手段になり得ても、ソフトのみによって速読法を修得することは難しいのでは、私は思っています。

確かに、コンピューターソフトは非常に便利な物であり、ソフトが優れた内容を持つ物ならば、速読を修得するという事において非常に有益なものと言えます。 とは言え、速読を修得する最も重要な要素である目の運動と視野の拡大という課題をコンピューターソフトのみによって行うことは、非常に困難な事だと、私は思うのです。

この両者が極めて速読の修得において重要であることは、今更繰り返して言うまでもないことだと思います。視野の拡大を通じ、なめらかな目の動きを実現する、と言う観点からしますと、画面の大きさの限界やなめらかな動きの再現そして文字の表示スピードなどという点からして、コンピューターソフトは、他の教材に一歩ひけをとるような気がします。

そのせいもあるのでしょうが、コンピューターソフトを使用されている速読教室でも、本など他の媒体を使用し、訓練を行われているようです。これは、人づてに聞いた話なのですが、新日本速読研究会に代表される速読教室では、コンピューターソフト以外の教材も使用しながら練習をされているそうです。つまり、コンピューターソフトが持つ良いところと、他の教材が持つ良いところを組み合わせながら練習をしているという事なのでしょう。

ところで、私は別にコンピューターソフトが目の運動や視野の拡大練習に寄与しないと言いたいわけではありません。単に、この分野に関してはコンピューターソフトよりも、他の教材の方が使いやすいという問題に過ぎません。拡大した視野を定着させると言うことに関しては、他の教材よりもコンピューターソフトの方が優れた点を多く持っていますし、動態視力を上げるという点でもソフトの方に優越性があると思います。

結局、速読練習用のコンピューターソフトは良いところもあると同時に、限界も存在しています。そこで、他の教材とコンピューターソフトが持つ長所をうまく組み合わせていくのか、この点を考慮されながら、速読の修得に励むことが肝心だと思います。

特に、自習用でコンピューターソフトを使用される場合、この事を良く考えてご使用されることを心よりおすすめいたします。


追記 コンピューターソフトと他の教材をいかにうまく組み合わせるのか、が問題となります。とは言え、これは明らかに新日本速読研究会やSP速読学院等の教室が持つノウハウとなると思います。そのため、今回は一切具体的な記述はさけております。
また、コンピューターソフトを使用することが適さない教室も当然存在します。 これは、速読法の違いによるものであり、使用する教室が正しいとか、間違っているという問題では全くありません。ある教室の方法論からすれば、コンピューターソフトで実現できる練習が多くあり、またある教室からすれば実現できる練習がほとんど存在しない、と言う事を意味しているにすぎません。






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