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同じ教材を使う目的について

 

 

同じテキストを使う事の弊害は、前回も書いた通りです。意義もそれなりにあるのですが、前回は書きませんでした。そう言うことは教室で聞くとたくさん教えてもらえますし、みなさん先生に聞きましょう。

ところで、同じテキストを使うことの目的は、「意味を確認し」ながら「視点移動という作業が行えている」ことと、教室によっては単語や文字列に対する条件反射を高めていくことに意味があるのだと思います(後者に特に意味を持たせる教室として新日本速読研究会があります)。後者の意味はともかくとして、前者の意味からすれば、計測と言うのは、結局トライアルテスト、もう少し言うと、補助輪付きで自転車にのる練習をしていると言う方が正確です。

私自身は、文字の入っていないフォーマットで徹底して練習しながら、本を変えていくと言う方が好きなのですが、教室でやるとなるとそうも言ってられないでしょう。まして、日常生活で文字の入っていない点や■の塊を眺めていると、ついにおかしくなったのかと思われかねません。また、本を変えるとなると、そのたびに本の指定をし直すという必要もありますし、本の内容によって数値がぶれると言う事もあり、商売としても、教室運営と言う観点からしても、うまいやり方ではないかもしれませんから。

同じ教材を使って計測するのは、文字を使っても、フォーマットと同じ事ができるんだと言う感覚をつかむために、文字を使った訓練が必要だと言うの話しと、意味を理解するという作業を同時並行して行う練習をしているだけの話しだと思います。つまり、計測の本来の目的は、通常の本を読む際の予行演習をやっているに過ぎないと言うことです。この目的が達成できるならば、別に同じ物を使おうが、使うまいが、どうでも良い話しなんですけれども。

先日プライベートサーバーで会ったランダムさんが言っていたのですが、ランダムさんや某教室に通っているときに、似たような本を何冊も購入し、家で練習していたそうです。そうしないと読んでいる気が起きないからだったそうです。ランダムさんの意見に従えば、読んだという気持ちを満たすことを優先すれば、本を変えろと言う話しになるでしょうし、視点移動の文字での練習を強調すれば、同じ本の方が意味をとると言う作業に時間をとられなくて良いと言うことになるでしょう。

もう少し言いますと、同じ教材を使って計測することに意味があるのは、一万文字未満の方の場合で、それ以上になってしまえば、計測自体がほとんど無意味となります(意味を取りながらと言う目的がほとんど無意味になり、単に視点移動を試すだけに目的が変わります)。大体、一万文字をこえた場合、通常の本を読むと、その半分の数値になるはずですし、例え二万文字とでても、多分一万文字のスピードは通常の本ではでないこともあると思います(一万文字をこえると、実際のスピードとの乖離が激しくなります)。

同じ教材を使う最大の意味は、教室によっても違うと思うのですが、別に計測をすることではなく、ちゃんと教室の規則通り本が読めている=ちゃんとした「視点移動の方法が実行されていること」を確認し、かつ「読むという作業をそこに付加すること」になるのだと思います。この二つの目的を達成する際、どちらを強調するかにより、同じ教材を使って計測することの意味が大きく変わる様な気がします。

教室の色もありますので、あんまりああだこうだと外から言うと、怒られてしまうのであんまり言わないようにはしているのですが、こんな感じかなーと思います。個人的には五千文字位から、通常の本との練習を混ぜ合わせる様にした方が良いような気がします。

ただ、その際ですが、一回目はきれいに見ていくだけと言う過程を入れると良いと思います。それだけでも、随分数値は向上するはずですから。記憶の片隅に単語が引っかかっているのか、それとも意識下は理解しているのか、私には難しいことは分かりませんが、プライベートサーバーでも同じように言う人たちが多いので、まあやった所で害はないでしょう。こうすれば、視点移動の練習と、理解するという練習の二つの趣旨を満たすことができるはずですから、問題はクリアーされるはずですから(この練習は五千文字以上の方が実行してください。それ未満の方が実行すると間違った視点移動を固定化する可能性があります)。

 

追記 以前も本選びについて相談室で書いたことがあるのですが、その人にとって視点移動がしやすい本であるならば、そして他人の前で見せることが恥ずかしくない本であるならば、何でも良いはずなのです。なぜなら、計測する事が目的ではなく、視点移動がちゃんとおこない、本を読むという作業ができているか、を確認する場が計測なのですから(だから、別に同じ本でよいのです。別に理解度を競いあう物ではなく、読めているよと確認するための練習だからです)。

 

 

2002年11月23日公開


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