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速読教室を作ろう

 

 

今回速読会と言う団体を作りたいと言う方がいらしたので、少しヒントにでもなればと思い、まとめてみることにしました。何かの参考にでもなれば幸いです。

速読教室を作ると言う事自体は、いくつかやるべき事をやれば、それほど難しい事ではありません。ただ、やるべき事は、決して簡単な事ではありません。速読教室自体の事を胡散臭い団体と思われている方もいると思ういます。しかしながら、胡散臭い事=簡単に作ることができると言う事ではないのです。

ただ、熱意とそれに牽引されたある程度の努力があれば、可能かとも思いますので、どんな事が必要なのかなーと言う事を少し考えてみたいと思います。

最初に思いつくのは、経営上クリアーにしなければならない問題を解決する事でしょう。お金や会社設立のために必要な知識や費用をそろえられるかと言う事もあります。ただ、この問題は当人の努力のみで解決できる問題でしょうし、私は会社設立の専門家でも何でもないのでふれません。

多分というか、本当に問題となるのは、むしろ速読法プロパーの問題だと思います。そこで、速読法にまつわることで必要となりそうな事を考えてみたいと思います。

 

1 路線を決めよう

まず、最初にやらないといけないのは、速読教室をどういう傾向の速読法を販売する教室とするのか、と言う事を決定でする事だと思います。どういう傾向=路線と言う事なのですが、この路線を決定するためには、二つほどやっておいた方が良いことがあるかなーと思います。

一つは、既存の速読教室に対する否定的な感覚が必要かと思います。現存する教室が充分なプログラムを提供していると感じているならば、新しいプログラムを提供することは無意味です。何か問題があると感じるからこそ、プログラムを提供したいと思う(商売として成立するとかその分野に参入する)はずだからです。

ただ、この否定的な感覚は、単なる感覚でとどまっていてはいかないと思います。自分が受講された教室に問題点は何なのかと言う事を徹底的に煮詰めていく事が必要となると思います。漠然と運営が悪かったとか、教え方が悪かったと思っているならば、例えそれが真実であったとしても、あまり有益な感覚ではないと、私は思います。一体自分にどんな問題があり、この問題は教室が提供した方法論とどう関連があるのか、を主体的に考える必要性があると思います。

例えば、教授法が悪いという場合でも、「どう悪いのか」が問題なのだと思います。悪いからダメだと言う事自体は簡単ですし、お客様として苦情を言うのは当たり前です(限度はありますが)。ただ、お客様が思う苦情と、経営者側が思う苦情は全く次元の違う物でしょう。ここら辺をどう考えるかがポイントの様な気がします。

そして、このような否定的な感覚を煮詰めた物を元にして、いかなる路線でプログラムを提供していくかと言う事を考えた方が良いかもしれません。受講料を安く提供すると言う事は、路線としては大きな問題ではないような気がします(経営上の路線としては大きな問題ですが、プログラムのみに焦点を絞れば、二次的な問題に過ぎません)。

一応ですが、SRRが低価格路線を打ち出していますが、SRRを低価格路線のみでみるのは少しおかしいと、個人的には思っています。SRRの価値はそう言う所にあるわけではないと思ったりしています。

この路線はあくまでも自分が既成の速読教室のどの部分をのりこえるために決定される問題ですので、結局どういう点を否定的に考えているのか、と言うことを煮詰めないと出てこない問題だとも言えると思います。

ここら辺を良く考えずプログラムを作成してしまうと、結局既存の速読教室の劣悪なコピーを生み出してしまう事になります。いくら素晴らしいプログラムを提供したと自分が思っていても、そのプログラムはどこかの速読教室のいびつなコピーで終わってしまうでしょう。このいびつなコピーを提供した事によって、恨まれるのは他ならない自分自身ですし。

結局最初に必要となる事は、自らの経験に基づき自分が通った教室の問題点を考え、更にその問題点にふまえた上で、自分が提供したいと思う速読法の路線を決定すると言う事だと思います。この路線の中には、一万字路線をとるのか、複数行読みを前提とするのか否かという事も含まれると思います。このような大まかな路線を決定する事が必要となると思います。

 

2 プログラムを作成しよう

次に、先ほど決定した路線に基づきプログラムを作成していく必要があります。これが次にやらないとまずいのかなーと思います。

このプログラムの作成のためには、どうしても他の教室のプログラムとの比較検討が必要になると思います。この比較検討をせずに、教室を作ってしまうと、時としてよその教室との法律上のトラブルを巻き起こす可能性があります。

教材が似ているとか、教え方が似ているとか言う理由で、内容証明が届くと結構悲惨です。ちょっと気になったのですが、確かに速読教室間で裁判や訴訟と呼ばれる段階までトラブルが大きくなったと言う事は、数としては少ないと思います。ただ、内容証明が届いたとか、訴訟の前段階でトラブルを終息させたと言う事は、現実問題としてない事ではありません(私でも知っていますので、調べたら結構な数になると思います)。

そう言ったトラブルを回避するためにも、プログラムの比較検討は必要でしょう。

ただ、このプログラムの比較検討は、別に法的なトラブルを避けるという事だけのために、必要な訳ではないと思います。比較検討する中で、速読法にはいくつかの共通したアイデアがある事に気づかれると思います。この共通したアイデアを他の教室がいかに実現しようとしているのかを注意して見ていく必要があると思います。なぜなら、この実現過程こそが速読教室の基幹となるプログラムだからです。そして、この基幹となるプログラムとこの基幹となるプログラムを支える様々なプログラムの関係を見ていく事が大切かと思います。

このようないくつかの教室のプログラムを検討していく中で、自分がたてた路線からはこの共通したアイデアは、どう実現されるのか、と言う事を見ていくと良いのかなーと個人的には思います。最初は模倣の様なプログラムになってしまうと思いますが、いっぺんには無理だと思いますので、教材などの修正やプログラムの修正を他のメンバーとの話し合い等を通じて、行っていく必要があるでしょう。

この様な作業の中で、漠然とした路線がだんだんと具体化されていくと思います(現実的には1の段階と2の段階を峻別する事は難しいと思います)。最初は単なるスローガンだった物が、段々と具体的なプログラムへと変わっていくと思います。この具体化の過程が非常に大切だと思います。

 

3 プログラムの修正

教材もある程度出来たし、プログラムも出来たとなりますと、次に必要となるのは、プログラムの試験運用でしょう。この程度の余裕は必要かなーと思います。意外とこのあたりを甘く見る事が多いのですが、頭で考えた物と、実際運用してみるのでは、全く違う結果が導かれる事があります。

これだと教えにくいとか、どうも受講生が分かりにくいとか、色々な問題が発生することがあります。そう言う問題が、開店してから生じますと、非常にみっともないので、試験運用は欠かせないのかなーと、個人的には思っています。

また、試験的に運用する際には、もっとも熱心な受講生の方を集め、勝負する事もできます。もっとも熱心な受講生をかき集め、サンプルをとって、実績を積む良いチャンスですから(実績がないと、後の人集めに障害が出ますし)。

この試験運用の期間に、教材や教室運営のノウハウを蓄積し、教材などを不動の物にしてしまう必要があると思います。SRRにしても、実際はかなり長い年月が商品化されるまでにかかっていると思いますし。ここが一番大変な時期かもしれません。現実的には、2の段階の後半とこの3の段階は、だぶって現れると思います。

この段階で効果が出ないようならば、撤退する方がましです。ダメな速読教室を世の中に増やす事になりますので、あまり意味がありませんし。

ここで、大きな修正が生じてしまった場合、2つ目の段階または1つ目の段階へと戻る事になります。基幹プログラムの修正を行う必要性がでてきたと言う事ですから、場合によっては路線その物の見直しをはかる必要が出るからです。

 

4 実際にお店開きをしてみましょう

プログラムの修正なども行い、無事に教室を開く事ができます。大々的に店開きをしましょう。受講生を集めるために、色々と大変ですが、ここまで来たら逃げる事はできません。講師も雇ってしまっていますし、受講生も何人か来ています。また、実績も積んでいるわけですから、怖い物はありません。

もっとも、実際の教室運営となると、他にもいくつかの修正が必要となると思います。経営上の観点からの修正と言う事もあるでしょうし、人材確保の観点からの修正もあるでしょう。また、あまりに集まった受講生が優秀すぎた場合、プログラムをより簡略化する必要性にせまられるかもしれません(逆もまたあり得ます)。

実は、本当に大変なのはここからかもしれません。人が思う様に集まらなかったり、色々とよその教室からの批判を浴びたりとか。

 

5 最後に

1〜4の過程は一見すると簡単かもしれませんが、決して道は平坦ではないと思います。特に、速読会と言う形式をとると、その大変さは加速されるでしょう。あまりに多様な受講生が集まる事によって、プログラムの統一性が失われる可能性もあるでしょうから。

速読教室が持っているアイデア自身は、非常に単純です。しかし単純だからと言って、誰もがその単純なアイデアを具体化できるかと言うと、それは少し違うんじゃないかなーと言う気が私はしています。単純=簡単という事ではないからです。

ただ、結局情熱が全てのような気がします。やってみないと分からないと言う事は、事実なのです。私のように情熱がないと、教室をやってみよう等と言う事を考えることはないと思います。

はじめの一歩を踏み出さない限りはお話にもなりません。その一歩は苦労をするための一歩ですが、ひょっとすると速読の歴史を変える一歩かもしれません。誰にも、先の事は分からないし、誰にもとめる事はできませんし、とめる権利もないでしょう。やってみる価値がある一歩かもしれませんし、時間の無駄で終わるのかもしれません。どんな結果が待ち受けているのかは、神でもなければ明らかに平凡な(それも平均以下でしかない)私にとりましては分かりません。

そう言う方のために少しでもご参考になれば、幸いです。


注 私は教室を運営するつもりはありません。楽しくネット上で遊んでいるだけですし、それで満足しています。

注2 この手順をふんだからと言って速読教室と法的なトラブルを未然に防げるという保証はどこにもありません(私が書いたのは、最低限の速読教室が必要とされるであろうプログラム作りの話しに過ぎません)。トラブルに関しましては、私は一切責任を負いませんので、自らの責任のもと実行されて下さい。


2002年08月24日公開

 


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