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なんで速読教室はたくさんあるの?


リンク集を見ていただくと分かるのですが、速読教室はとてもたくさんあります。 リンク集にのっている速読教室だけではなく、他にネット上には現れていない教 室も入れれば、多分10種類以上の速読教室が日本には存在すると思います。以 前、受講生の方にも聞かれたのですが、なぜ速読教室はこんなにたくさんあるの でしょうか。

この疑問は、なかなか面白い疑問でもありますし、速読教室選びにも大きなポイ ントとなることです。なぜなら、各速読教室間の違いを知らずして、速読教室を 選択することもままならないと思われるからです。

まず、なんで速読教室が10種類以上も日本に存在するのかと言えば、それは速 読教室の種類だけ、速読法が異なるからです。もちろん、速読教室間によっては 一定親和性をもった速読法を掲げている所もあります。しかし、それは一定方法 論上での親和性を持つに留まっています。

では、速読といっても本を読む、という基本的な営みであるにも関わらず、これ だけ、たくさんの流派が存在するのでしょうか。

みそは2つの理由があるのではないか、と考えています。

一つ目の理由は、極めて単純な理由です。それは読書に対する考え方の差だと思 います。新日本速読研究会とNBS日本速読教育連盟ではないかと例にあげたいと思 います。新日本速読研究会が提唱するジョイント式速読法は、主に本から情報を摂 取する事が読書の主な目的として考えているのではないか、ときらいがあります。 特に新日本速読研究会の代表である川村氏が書かれた受験や資格試験対策の本( 知られざる受験勉強法シリーズ)には、情報をいかに効率的に摂取する必要性に ついて出てきます。

これに対し、NBS日本速読教育連盟の佐々木博士の「速読の科学」では、読書と いうものはどういうものかという視点から速読法というものを組み立てている のではないか、と思われる箇所がかなり多くあります。そのため、読書の本来 のあり方としての速読法の組立を試みられているのではないか、と思われる傾 向がかなり強くあるのです。みその両方の速読教室に通った友人たちの情報からも 、同じ様な事を言っていました。

また、記憶力の増大させるプログラムを速読法の訓練プログラムの中に組み込 んでいる速読教室の場合、どちらかというと、読書というものを情報を摂取す る手段と考えているのではないか、思われます。

細かい話しはともかくとして、速読法の違いは読書をどう考えるのか、という 視点が強く反映されているということです。


では、二つ目の理由は何かと申しますと、それは「キム式」速読法の存在が、 現在の日本の速読教室百花繚乱状態を作り出しているのではないか、とみそは 思います。「キム式」とは何か、つまり「キム式」の定義ははっきり言って難 しいものがあります。例えば、速読法殺人事件(若桜木 虔 朝日ソノラマ) という小説があるのですが、この本の中では「キム式」と思われる速読教室が 出てくるのですが、なんかとんでもない扱いになっています(読んでみて下さ い。新日本速読研究会が監修した本です)。これ以外にもいろいろ「キム式」 速読法の批判があちらこちらの速読教室で行われています。

ただ、その批判の内容も速読教室によってトーンが異なるのです。 ただ「キム式」が批判される最大の理由は、万人が修得可能なプログラムである のか、という批判があります(同趣旨の見解として佐々木 速読の科学 川村  速読トレーニングなど)。みそも、所謂本当の「キム式」の教材やプログラ ムを直接受講したことはないのですが、「キム式」もどきの教材や訓練課程を 見る限り、少し万人に修得可能なプログラムなのか、という気がします。

つまり、「キム式」がもっている最大の速読法としてのネックは、記憶という要素 を読書の中に全面的に持ち込んだ点にあるのではと思います。「右脳記憶」(多 分フォトグラフィックメモリーの事をさしていると思うのですが)と呼ばれる画 像の様に文書を記憶する方法を速読法に持ち込んだため、非常に速読法の修得を 困難にさせてしまったことが、修得を困難にしてしまった理由ではと思われます。

この「キム式」のもった限界は、同時に速読法の新たな発展と分裂をも示すこ とになったのでは、とみそは考えています。つまり、現在の多くの速読教室が 提供するプログラムは、「キム式」をどうのりこえていくのか、という問題意 識が強く現れています。

もっともその意識が明らかになっているのが、NBS日本速読教育連盟なのである ような気がします。速読の科学を読むと、佐々木博士が速読法の原点を求め、 韓国へと旅立ち、「パク式」速読法と出会い、日本において「パク式」を発展 させていった話がかいてあります。つまり、佐々木博士は原点へと回帰し、か つそれを発展へと導いていったのでしょう。

また、新日本速読研究会の川村氏においても同様だと思います。彼の初期の本 を読むと、必ず速読法をエリートの手から一般の人の手にという話しが出てき ます。これは、彼が「キム式」速読法を検討する中で、改良や組み直しをして 現在の「ジョイント式」速読法を開発した事をまた示しているでしょう。

さらに、固有名詞はあげませんが、英語の速読法のノウハウをキム式速読法へ と接ぎ木する速読法もまた存在します。これは、キム式の修得困難さを軽減す るために、このような方法を用いているのではとみそは思います。

要は現行の速読法は「キム式」との対決から出発し、発展や分裂をしていると いう側面はかなり強くあるのです。「キム式」を越える新たな速読法が作られ ていく過程の中で、多くの速読法が生まれ、現在のように非常に数多くの速読 教室が生み出されていったとみそは考えています。


注)キム式が提唱するフォトグラフィックメモリーというのは本を読むことが 好きな人にとってはさほど難しいものではないような気がします。こつとしては、 見開き2ページを頭の中にイメージして、単語をポンポンとおいて行くようなつ もりでいると、意外とできるようになります。つまり、記憶を引き出すためのイ ンデックスを位置関係から作ればいいのでは、とみそは思っています。

追記)「キム式」を先ほどから悪く書いていますが、別にみそは「キム式」に何 の恨みも利害関係もありません。かくいうみそ自身も「キム式」もどきの速読教 室のプログラムを受講した事があるくらいですから。結構成果も上がって楽しん でしまった事を覚えています。別に「キム式」でも、その方法論が合う人なら、 一概に悪いとは言えません。みそは何の特技もないし、頭も良くないし、はっ きり言って馬鹿ですけど、みそでも修得できるのですから、要は感性の問題だ と思います。ですので、皆さん必ず速読教室のプログラムを受講する際は、速読教室 にお金を払い込む前に、その教室に行ってみる、無料体験講座を申し込んでみる、無 料体験講座がなければ、安いお試し受講コースがあると思うので、そのコースをとって 見るなどして、自分にとってその教室が合うのか、よく確かめて見て下さい。

追記2)これは確証がとれていないのですが、「キム式」の看板を出している速読教室 のパンフレットを見る限り、「キム式」が日本において、教育プログラムとして改善を 続けている様な気がします。確か、今から5年くらい前に見た「キム式」の速読教室の パンフレットによると、世界の「キム式」速読法をマスターした人たちが集う場所で、 日本の「キム式」の参加者を見てとても驚いていた(能力の高さにです)という記事 が載っていました。



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