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推理力をつけよう




速読は、基本的に目の動きを修得してしまえば、後は時間の問題となります。NBS日本速読教育連盟のホームページでも同様の事が書いてありますし、良く他の教室の本などを見ると、単語に対するレスポンスを強化する等の訓練があっても、推理力を高める訓練はあまり触れられていません。

まあ、確かにある程度この速読教室が持つ態度は正しいと言えます。なぜなら、速読教室のプログラムは、基本的にある程度の知識や文法力などがある事が前提とされ、作成されている点が多いからです。

とは言うものの、この推理力の強化は、とても重要な課題であると私は思うのです。なぜなら、私がもらった質問の内、大半の問題はこのあたりに問題があると思われる事が多いからです。例えば、速読教室で使用しているテキストは読めるようになったのだけど、普通の本が読めないのだけど、と言うものや、複数行読みに抵抗感を感じる、と言った物はある意味よい例だと思います。前半の質問は、完全に今回取り上げたいテーマに関わる物だし、後半の質問は他の問題を含んでいる問題なのですが、今回取り上げたい推理力に関する問題となります。

そこで、今回はこの推理力と言う事について少し考えてみたいと思います。

まず、速読は通常の読書形態よりも、推理力と言う物が要求される本の読み方です。なぜなら、今多く提供されている速読プログラムは、複数行を読むと言う事を前提にして作られているからです。どの教室の方法論を見ても、そのほとんどが複数行読みを前提として作られています。

ところで、この複数行読みなのですが、この複数行読みは通常の読書形態とは少し異なっています。「幅で読む」等と言った場合も同様です。なぜなら、幅で読もうが、複数行で読もうが、複数行を同時に読んだり、または幅で一挙に単語を吸収し、理解しようとする事は、私たちが通常行っている読書活動とは少し違う物だからです。

詳しくは、佐々木先生がお書きになられた速読の科学を読んでいただきたいのですが、この本によれば、私たちが読書をする際の目の動かし方は、滞留と移動を繰り返していると言われています。要は、理解できたり、できなかったりすると、立ち止まると言う事を繰り返していると言う事なのだと思います。このような非合理的な目の動かし方を克服しようと言うのが、速読なのですが、問題はここから生じているのです(ただ、佐々木先生が提唱される方法論は、ここで言う複数行読みとは、異なっている物の様な気がします)。

この問題を克服する手段として、複数行読みを行う場合、ある程度文章はある程度ばらけて、最初見る事になります。これは幅で読む場合も同様なのですが、どうしてもばらけて見る(通常の様に書いてある順番に従い、認識していないと言う事です)訳ですが、この読み方は理解と言う事を落としてしまう事があります。この情報の入力の仕方を、栗田先生は分散入力と読んだり、川村先生は「並列処理」等と読んでいる訳ですが、まあ名称はともかくとして、どうしても正確さがある程度犠牲になる傾向にあると思われます。

しかし、正確さを犠牲にして、理解できなくても良いのだとと言うのでは、速読の名が泣きます。また、我が国の速読法の多くは、つまみ読みや斜め読みを推奨するものではありません。そこで、速読教室は様々なアプローチを用いて、この問題を克服しようとしている訳です。ここらへんの事情は以前も書いた通りです。

結局、いかに推理力を高めていくのかと言うアプローチしかないのかなーと、私は思っています。推理力と言いましても、別に適当に読みなさいと言う意味ではありません。

この推理力と言う事の中身なのですが、文法の力、語彙力、読もうと思っている本の周辺分野や作者に対する知識等と言う事に過ぎないのです。この推理力と言う物は、別に不自然な物だと、私は思いません。なぜなら、元々読書と言う物が推理力を必要としている物だと思うからです。

例えば、私が経済書を読んだとしても、私は全く理解できないと思います。だって、私には経済の知識など全くありません。また、興味もありません。医学書等ならば、さらにこの傾向は加速されると思います。この原因は、私が経済の本を読むような能力を持ち得ていないと言う事もあるとは思うのですが、それ以上に私が経済学に対する知識を持っていない事が大きく影響していると思います。

私が言いたいのは、結局速読において必要とされる推理力とは、読書において通常要求される推理力とさほど変わらないと言う事です。私たちは本を読む際に、大抵の場合先を予想しながら本を読みます。推理小説ならば、犯人や推理の展開を予想します。そして、この推理は、作者が持つパターンを知っていれば知っている程、高まる事になります。また、専門書等でもこの傾向は同様だと思います。私たちは、その人の思想傾向や属する学派などから、ある程度その人が描くであろう結論を先読みしながら、本を読む事になります。さらに、その人が持つ特有の論理の運び方を知っていれば、さらにその予想は正確さを高める事になると思うのです。

要は、速読における推理力等というものは、通常の読書における推理力プラスアルファと言うあたりだという事が結論なのかもしれません。速読教室によっていろいろな言い方をしていると思うのですが、この推理力をいかに高めていくのかと言う事が、速読を修得する際の最後の山となるのだと私は思います。

じゃあ、どうやって推理力を身につければ良いんだよ、と言う話しになるのですが、それはまた次の機会と言う事で。あんまり全部いっぺんに書くと、書くことがなくなってしまうので。

 


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