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速読の才能



私は以前にも言いましたように、速読は誰にでも修得可能なものだ、と信じています。また、私がインス トラクターをしていた経験からも、私が取りこぼした受講生の方は、全くいません。もちろん、勝手にこ なくなってしまった方は知りませんが、少なくとも私が見た受講生の方で時間がいくらかかかったとして も、必ず一分間に一万字以上のスピードは必ず達成されていました。

そう言う私のつたない経験からしても、これだけは確実に言えます。

速読は諦めない限り必ず修得可能です。

ところで、先日面白い質問のメールがありました。その方によると、ある速読教室のインストラクターが その方に「速読をする才能がない」と述べられたそうです。一体、どんな才能が速読に必要なのか、今日 はそのことについて考えたいと思います。

まず、高い知能とかが必要なのでしょうか。

このホームページを見ていただくと分かると思いますが、全く高い知能などは必要ないと思います。みそ は自分で言うのもなんですが、お猿さんなみの知能しか持っておりません。「ざる頭と言えば、みそのこ とだぜ」とすら思っております。

また、先日斉藤先生が公開された受講生の方たちの受講体験記によれば、 私が見る限り、その方たちは知性が通常の方より極端に高いという様子は少なくとも感じられませんでし た(ただし、文章を読んでいる限り、かなり優秀な方たちだとは思います)。もちろん、受講生の方たち の多くが極めて高いモチベーションの持ち主であり、また知識欲も旺盛の方たちのようです。とは言え、 彼(女)らがアインシュタインも真っ青の天才であるようには少なくとも見えませんでした。

更に言えば、私は速読教室において、特殊学級に入る事をすすめられた経験を持つ方を担当した事があ ります。その方は、私が見る限り私より遙かに優秀な方(人間的にも、そして知性という側面でも)に 見えましたが、社会的にはそのような評価を受けたようです。しかし、その方もまた優秀な成績でコー スを終了されたのです。

このことからしますと、どうも極端に高い知性など速読には必要ないように思われます。もちろん、知性 や知識は難しい本を真に理解しようと思う場合に必要となるのかもしれません。それは、通常の読書でも 全く同様に必要となるもので、普通に読めない本が急に速読になれば読める筈もないのは、当然の事であ り、全く速読を修得できるか否かには関係ない話題だと、私は思います。

じゃあ、何が必要なのでしょうか。

高い知能指数でしょうか。

これも、必要ないでしょう。別に、私は知能指数が高くはありません。極端に低いとは思いませんが、 別に高い方ではないと思います。また、私は知能指数などと言う人間の知性を数値化しようとする野 蛮な作業に正当性があるとは、全く思っていません。そして、人間の能力を数値化するなどと言う愚 かな習慣を、私は理解することができません。大体、これらの数値が示す限界は、大学生が学習する ような一般教養の教科書ですらも指摘しています。

では、何が必要なのでしょうか。何にも才能は必要ないのでしょうか。

いや、実はあります。何事にも適性という物があります。これは速読においても例外ではありません。

とは言え、速読の才能なんて、所詮みそが修得できる程度の才能にすぎません。はっきり言って大した ものは必要ないのです。じゃあ、必要なものって何でしょう。

まず、最初に私は「素直さ」が必要だと思います。「素直さ」等と漠然と言われると、「訳わかんな い」と言う気がしないでもありません。そこで、具体的に言うと、インストラクターの指示に従うと いう意味における素直さです。

例えば、インストラクターが「○○して下さい」と言ったら、「こんな練習、馬鹿みたいでできない よ」等と思ったとしても、従うという意味での「素直さ」が必要だと思います。

次に必要なものは何でしょうか。もう、これで終わりのはずはありません。みそは親切なのです。

次に必要なものは、簡単です。諦めないことです。私は、基本的に人間の願望は大抵叶えること ができると信じています。もちろん、思っているだけで何もしなければ、かなう事はありません。 でも、どんなに障害があっても、それを乗り越えようとする限り、そして真摯にその人が努力し 続ける限り、必ず願望は叶うと心より信じています。

この真理は速読においても同様だと思います。絶対に諦めず、最後までがんばる。例え、同じ時 期に始めた人が「一分間に一万字」読め、自分が「一分間に千字」しか読めなかったとしても、 諦める必要などどこにもないのです。諦めず、同時期に始めた人よりも一生懸命練習すれば、あ なたの方が最終的には速く本が読めるようになることはよくあることなのです。

私は速読の上達に必要なのは、このたった二つの事だと思います。もし、皆さんが速読を修得し たいと思うならば、この二つの才能を友人にされ、練習されて下さい。諦めず、そして焦らず、 毎日素直に練習に励む。これが王道であり、近道なのです。

皆さんの健闘を心より祈っております。

注 もちろん、このような大きな成果が出たことは、斉藤先生の指導者としての能力が極めて高かった 事が当然関連しております。また、このような大切な資料を公開された斉藤先生に心より敬意を表しま す。




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