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集中するということについて



以前メールで、「なかなか集中できないんだけど、いい方法はありませんか」と言う質問がありました。 確かに、みそは度々このホームページで速読における集中の重要性について 訴えてきました。

そこで、今回集中するという事について考えてみたいと思います。

以前も丹田式呼吸法についての所でも書いたと思うのですが、速読では「受動 的集中」等とと呼ばれる集中の状態が重要視されています。これは緊張状態にあるよりも、リラックスした 状態の方が学習効率が高いため、リラックスしながらも集中する状態を作りだす事が速読においては要求さ れるためです。つまり、速読においては通常以上の情報処理能力が要求されるため、このような学習効率を 最大限に高める状態が必要とされるのだと思います。

ところで、この「受動的集中」は少しくせ者なのです。なぜならば、リラックスしながら集中すると言うこ とは、逆に言えば「集中したい」「集中したい」とムキになればなるほど、「受動的集中」と呼ばれる状態 とは反対の状態が作り出されるためです。今回メールで質問された方も随分ムキになって「集中したい、集 中したい」と考え、様々な訓練をされているようですが、ムキになって練習すればするほど、速読が理想と する「集中」の状態からかけ離れていくと私は思います。

「じゃあ、どうしろと言うんだ」と聞かれると少し困ってしまうのですが、私は「無理に集中したいと思わ なくてもいいのでは」と思っています。なぜなら、集中したいと思うことは結構ですが、「集中しなくても」 速読は可能なのです。ただ、情報処理力が落ちるため、速度が落ちたり、理解力が落ちる等という現象引き 起こすに過ぎません。ですので、無理に集中したいと思うより、リラックスし、落ち着く事の方が、私は重 要だと思っています。

更に言いますと、読書のスピードが1分間に3000文字位のうちは、そんなに集中しているか否かを気に するより、目の運動や視野の拡大に力を注ぐ方が意味のあることだと思います。集中力が本当に問題となる のは、1分間に1万字以上読める方だと私は思っています(但し、記憶を要素とする場合、この話はあては まりません)注

なぜなら、本当に速読が定着する段階であるスピード(1分間に1万字以上のスピード)の方の場合、この スピードを維持して本を読もうとすると、かなりの安定した力が要求されます。だからこそ、一定の集中力 を持続させ、本を読む必要性がでてくるのです。としますと、まだ速読を習いはじめて間もない方が、「ム キになって集中したい」と思う事は、私はあまり意味のないことだと思っています注2

ところで、この受動的集中と呼ばれる段階に達する手段の一つとして丹田式呼吸法という訓練が行われてい る事は以前も述べた通りです。ただ、この訓練をいきなり何10分もやることは止めて下さい。リラックス するための訓練ですので、長時間いきなりこの練習をすれば、眠くなるのは当然のことなのです。最初は5 分くらいでいいので、きちんと毎日行う事の方が大切です。

この集中の練習にしてもそうですが、速読の訓練の場合、あえて意識しなくても反射的にできるという事が 非常に大切です。ですので、毎日決められた分量をきちんとこなしていくことが非常に大切だという事を お忘れなきようお願いいたします。


注  記憶を速読の要素とする場合、集中力を維持することの重要性は、更に増すことになります。
注2 目の運動や視野の拡大に力を入れる方が、成功への近道だと思います。




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