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なんでみんな速読をやらないの



先日ある方よりメールを頂きまして、とても面白い内容だったので、今回はその内容について私なり の答えをのせたいと思います。

実は、その方の質問というのは、もし速読が本当に万人に修得可能なものだとするならば、なんでみ んな速読をやろうと思わないのか、という趣旨のものでした。

この間、みそも速読は目の疾患でもない限り、原則として修得可能なものだ、と述べて きました。としますと、何で速読をみんなやろうと思わないのか、確かに疑問ですよね。だって、 一分間に数万字なんてはっきり言って夢の様なスピードです。本当にこんな事が可能ならば、この 質問をした方が述べられた通り、「ピアノや英会話」なんかより、はるかにはやる可能性のある産 業だと思うのは無理もないことだと思います。

しかしながら、現実はそんな事はありません。実際、そんなに多くの人が速読法を習いたい、なんて 話しは聞いたことがありません。事実、私の周りで速読をやろうと思った人を私は四人しかしりませ ん(受講生の方を除きます)。

なんで、こんな有益な技術であるにも関わらず、もっとはやらないんだろう。これは確かに当然の疑 問のはずです。逆から言えば、本当は有益な技術ではないから、結局速読をやりたいと思う人が増え ないのではないか、とも言えるわけです。

みそは、速読は誰でも修得できるものだと思っていますので、インチキだとは思っていません。ただ、 速読が一般の方に浸透しない理由はいくつか複合的なものがあると思っています。

一番大きな理由は、速読によって読めるスピードがあまりに速すぎるという事があるのではと思って います。普通どの位のスピードで人間が本を読めるかと言えば、速い方で一分間に千文字程度ではな いでしょうか。ところが、多くの速読教室のパンフレットをみると、受講生の声とかで、一分間に 「百万字」とか「十万字」なんて書いてある訳です。まあ、一分間に一万字というスピードすらも、 世間の概念から言えば、極めて非常識なものです。

だとすると、速読法というものの実態を知らない方からすれば、「やっぱ速読ってインチキなのか なー」と思ったとしてもそれは無理からぬ事だとみそは思うのです。結局、速読を知らない人から すれば、「怪しいなー」という思いが速読教室に対してあっても無理がない事だと思います。

じゃあ、「他に理由がないの」と聞かれると、他にも理由はあると思います。以前通信教育の効用 を書いた時にも書きましたが、関東地方や関西(大阪)ならばともかく、地方には速読教室がない 県もあります。この理由は、速読教室側の人員不足(優秀なインストラクターを配置できない)と いう事もあるとは思うのですが、それ以上に採算性があるのか、という問題があると思うのです。

東京ならばともかく、地方においてはそれほど速読法というものはメジャーなものではありません。 この理由の一つとしては、みそは本当はそんなに速読を必要としている人が意外と少ないのではな いか、と思っているのです。別に東京や大阪の人が速読を他道府県の方たちより速読を必要として いるという訳ではなく、単に人口や企業の数の比率が他道府県より多いため、速読教室の多くが東 京に集中しているそれだけの理由です(つまり人口などが多いため確率が高いという事です)。逆 に言えば、それほど人口や企業が集中していない所では、当然速読を元々やりたいと思っている人 の比率が下がるため、速読自体も普及しにくいという環境があるのではともみそは思っています。

最後の理由としては、決して受講料として安いものではない、という事です。これには各速読教室 もかなり原価を下げていくために努力されているようです(みそのいた速読教室でもそうでした)。 とは言うものの、まだ「気軽に速読習ってみようかな」と思って気軽に払える受講料とは言えないと 思います。これもまた、速読教室に多くの人たちが通えない、という環境の基礎になっているとは思 うのです(逆に言えば、いろいろな人が速読を習い始めると、逆に値段は安くなるとは思いますが)。

結局、みそとしては大きく分けて言うと上記三つの理由から、みんなが速読教室に爆発的に通うとい う状態にならないという理由があると思っています。

ところで、以前と比べ速読法が必要とされる割合は高まってはいます。インターネットの環境整備と コンピューターの普及により、私たちは場所を問わず情報を受ける事ができる事の結果、今まで以上 の文書を読む必要性に迫られています。ところが、この必要性の増加に対し、「なぜ速読法が爆発的 に普及しないのか」という事は、各速読教室が真剣に考えるべき問題であるとも、みそは思うのです。


注 別にこれは速読教室がぼったくってやると思って受講料を設定しているという事ではありません。 かっこの中にも書きましたが、もっともっと受講生の方が来て下されば、当然受講料も安くなる可能性 もあると思います。だって、インストラクターにも給料を払わないといけないし、家賃もただではない し(安いところで不便な所に教室をつくれば、当然受講生は集まらないし)、経営者の方たちも霞を食 べて生きて行くわけにはいかないし。みそとしてはあの受講料は確かに決して安いお金だとは思いませ んが「ぼったくり」だとはもっと思わないのです。




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