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同じ本を使うと言う事について





良くメールで頂く質問で、同じ本を使って計測するのは、速読がいんちきである事を隠すためでは、と言うものがあります。まあ、同じ本を使った位で数値が3000文字も伸びると思うならば、やってみろと思ったりするのですが。とは言え、やって本当に伸びてしまうと困るので、理由をお答えしたいと思います。

他の速読教室では良く知りませんが、同じ本を使い計測を行う速読教室は良くあります。私自身も同じ本を使い計測を行いましたし、行われていました。

同じ本を使う理由には様々な理由があります。一番理解しやすい理由は、同じ本を使わないと、知識などででこぼこが出るためです。受講生の方は様々な経歴(学歴、読書歴、等々)を持たれています。このような受講生の方の読書に対する能力を一定客観的に測ろうと思うと、どうしても同じ本を使う必要が出てくる様な気がします。だって、ある方は専門書を読み、またある方は小説を読んでいるのでは、スピードからその方の速読に対する成熟度を測る事はほとんどできなくなってしまいます。

つまり、そう言うでこぼこをなくし、一定客観的に能力を測ろうと言う速読教室側の都合があるため、と言う事になるのだと思います。

じゃあ、ある程度メンバーを限定してやるなら、同じ本を使わなくてもいいじゃん、と言う事になりそうなのですが、私はそうとも言えないように思うのです。まあ、ある程度メンバーを限定すると、なぜかうまく行く事が多い様に思います。例えば、学者になりたい人ばかり集めたり、一定本ばかり読んでいる方を集めれば、多分どんな教材を使ってもうまく行く事が多いと思います。それは、その方たちの多くが、無意識のうちに速読と呼ばれている読書を行っている事が多くあるために他なりません。ですから、もしその方たちの中に、速読という方向性とは正反対の読書傾向を持った方が混じれば、難しいと言う事になると思います。

そう言った例外的なケースを考慮しないとしても、やはり私は同じ本を使って練習した方がよいと思っています。その理由なのですが、同じ本を使った方が数値の伸びが良いと言うよりも、速読の能力が身に付きやすいと言う事に他なりません。

川村氏ではありませんが、速読に関わらず、読書と言う事自体が自分が持っている知識や論理力を総動員して本を読んでいると言う事は、動かしがたい現実だと思います。その証拠を挙げればきりがないのでしょうが、ご自分が専門外の本をいきなり読めと言われても、ほとんどの人は読むことができないと思います。

速読に必要な能力は、こういう通常の読書に問われる能力にスピードと言うものが必要とされています。そのスピードを養うために、同じ本を使った方が良いと私には思えるのです。

良く英語を勉強する場合に、多読を繰り返すのと、精読を繰り返すのとどちらがよいかと言う質問がなされる場合があるようです。この質問設定の誤りはともかくとしても、通常専門家の方は、簡単な本を繰り返し読む事が良いと言われるそうです。

その理由が簡単な英文を繰り返し読むことの方が、英文のパターンや文章の構成を修得しやすいし、そして繰り返す事によって、そのパターンが無意識のうちに、自分でも使える様になる事を上げられるようです。

この点は、速読の場合も同じだと思います。いきなり難しい本を使い速読の練習をするよりも、速読固有の頭の使い方を簡単な本を繰り返し使った方が、身に付きやすいと言えるような気がします。特に、既存の知識をフルパワーで使いながら本を読み、かつそのスピードも一定要求される速読の中では、やはりこの作業が目をつぶってもできるようになるまで、慣れないとなかなか異なった本を使っては練習できないような気もするのです。

さらに、目の動かし方と言う観点からも同様だと思います。新しい本を使用すると、いちいち分からない単語に出会うたびに、考えてしまい、目の動きに障害が出ます。そうすると、結局速読が理想とする目の動かし方をいつまでたっても、本を使用すると修得する事ができず終わってしまいます。

要は、速読独特な頭の回し方や目の使い方を効率的に覚えると言う観点からしますと、同じ本を使った方が効率的なのかなーと私は思うのです。

追記 ちなみに同じ本をあえて使わない教室が存在している事も私は知っています。スピードにあまりこだわらない教室の場合、あえて同じ本を使わなくても問題にならないような気がします。このような教室の場合、同じ本を使う事による弊害もあるので、特にこの弊害が大きくなるため、使わない方がベターだとも思われます。今回のお話が当てはまるのは、1万字以上のスピードを要求する教室のみの様な気がします。


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