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フォトリーディングについて

 

お待たせしました。なかなか時間がとれなくてとても失礼しました。最近、いつも言い訳ばかりのみそです。

フォトリーディングに関して、私が一番思っている事は、速読法と言うよりも、読書法だなーと思った事です。もちろん、フォトリーディングホールマインドシステム自体が持つ速読法と言う側面を否定しようとは、思いません。

ただ、フォトリーディングがその名の通り自らをシステムと呼んでいる事を、私なりに尊重するなら、やはり速読法と言うよりも、読み方の方法とか、情報摂取法なんだろうなーと思います。

ところで、フォトリーディングと言う方法が世に出て、あのあなたも今までの10倍本がはやく読める(ポール・R・シーリー著 フォレスト出版以下、十倍速く読めるとします)が出版されて以来、フォトリーディングがらみの質問が、私の所にもよく来ます。タントさんの掲示板でも、ある方より質問を頂きましたし、2ちゃんねるでも、聞かれた事があります(多分、私が書いた日記の内容が意外だと思われたのだと思います)。

ただ、どうも見ていて思うのですが、フォトリーディングに対する期待が少し過度なのかなーと言う気がしてなりません。もちろん、ここでフォトリーディングが素晴らしくない等というつもりは、さらさらありません。フォトリーディングホールマインドシステムは、それ自体として素晴らしい方法だと思います。

とはいうものの、私がフォトリーディングが素晴らしいなーと思うわけは、私にメールを下さった方とは違って、右脳速読の最高傑作だと思っているからではありません。

私がフォトリーディングホールマインドシステムがいいなーと思っている訳は、フォトリーディングホールマインドシステムのホールマインドシステムの方にどちらかというと、力点があるように思います。

そこで、今回はフォトリーディングについて、若干ではありますが、いくつかの側面からコメントしたいと思います。

まず、フォトリーディングホールマインドシステムで使われる速読法なのですが、これは以前も2ちゃんねるで述べましたとおり、私はさほど画期的な物とは思っていません。フォトリーディング自身も、右脳速読法の変形版と言う感じがしますし、アクティベーションで使われるディッピングやスーパーリーディング、スキタリングにしても、つまみ読みや1行読みと言う極めて古典的な速読法でも行われていた物の様な気がします。

更に、フォトリーディングで用いられる集中法やリラックス法も、それ自身としては珍しいのかもしれませんが、催眠術テープのような物を購入された事がある方にとっては、別にそれ自身もまた珍しい物ではないと思います(NLPの影響を強くフォトリーディングが受けているそうなので、それは当たり前かもしれませんが)。

これらの方法論自体は、どこかの速読法や自己啓発関連のテープを見ると、どこかで聞いた事がある物の様な気がします。斉藤先生のご指摘ではありませんが、フォトリーディングがアメリカでヒットした理由は、右脳速読法が日本で持ち込まれた時と似ているのかもしれません。

ところで、このフォトリーディングホールマインドシステムなのですが、所謂右脳速読法とは、少し異なった側面二つほど持っています。

一番の違いは、右脳速読によって得られる結果と言う事にあるように思います。右脳速読法は、写真記憶を全面に押し出したり、右脳速読する事で、タイムラグはあるにせよ、全てを理解していると言う事を述べたりしているケースがありあます。

これに対し、確かにフォトリーディングは意識の奥底に知識が沈殿した事を肯定しますが、それが即意識的に使えるかと言うと、その点については否定しています(十倍速く読める112p)。だからこそ、アクティベーション(活性化)と言う作業を行い、意識の奥底で得たはずの知識を活性化し、意識的に使えるようにするために、ディッピングをしたり、スキタリングをしたり、更にはマインドマップを作る事で、記憶と理解を深めようと言う努力を行ったりしています(十倍速く読める117p〜149p)。

要は、右脳速読法との違いは、右脳速読法によって得た結果をどのように考えるのかと言う事にあるように思われます。

次にですが、フォトリーディングホールマインドシステムでは、この間日本の速読法で主張されていたような目の動かし方に関しては、問題とされません。速読の目の動きや視野の幅と言うことに、我が国に導入された速読法は熱心なのです(一部の例外を除く)。この点が、実は私は日本の速読法の良さだと思っているのですが、実はこれが一番の速読修得の障害となっている事も事実のような気がします。

これに対して、フォトリーディングでは、取り立てて目の使い方と言う物は全く問題にならない様な気がします。確かに、フォトリーディングをする際に、ブリップページを見ると言う事が一つの目安になるとも言われています。ただ、作者も十倍速く読めるで述べている様に、別にブリップページが見える事と言うのは、手段に過ぎず、見えなかったら、見えなくても構わないのです。要は、緩やかな視野を保ち、本を読む事なく、眺めていく事が肝心なのであり、それ以上の事は要求されていないと思われるためです(要はソフトアイと言う目の使い方を達成するための手段がブリップページを見ると言う事であり、他の手段で見ると言う作業が達成されるなら、それはそれで結構ですよと言う話なのでしょう 十倍速く読める107pの最後の行以降を参照されて下さい)。

また、フォトリーディングホールマインドシステムで要求される読書法において、目の運動と言う物は、ほとんど要求されていません。なぜなら、他の読み方はほとんどつまみ読みや1行読みに過ぎず、さほど難しい目の動かし方を覚えなくても達成可能と思われるからです。

このように書きますと何か、フォトリーディングってすごくいいじゃんと思われるのですが、私はフォトリーディングが持っている良さは、同時に弱点と言う様な気もするのです。

例えば、誰しもが簡単に実行できると書きましたが、本で書かれていた様な気持ちに全ての人がなれるのかと言うと、セミナーや通信講座を受講すれば、なるのだと思うのですが、本を読んだだけでは、分からない点も多いと思います。

さらに、本を読んだ場合の充足感は得られるのだろうかと言う事が、一つ気になります。

その理由なのですが、日本の速読法は複数行読みを前提にした速読教室の場合ですら、一応情報を摂取する場合、時間順に情報を入力しています。要は、確かに複数行を読むと言うことで、少しばかりの時間上のズレは生じていますが、まあ一応は、頭から本を読んでいるのです。もちろん、全てが意識できる形で、理解できているのか、と言う事になると、各速読教室間で温度差はあるのですが。

とはいうものの、つまみ読み型の速読教室が日本で今ひとつ主流に成り得ないのは、一つには本を読んだ充足感と言う事が得られるのか、と言う事にあるように思います。これが、どの程度フォトリーディングホールマインドシステムを利用した場合に得られるのかと言う事が、一番の問題の様な気がします(ただ、この点を防止するためとも思われるのですが、フォトリーディングは最後の過程において、頭から通常の読み方を駆け足にした形で読み進めるとされています 十倍速く読める151p以降を参照されて下さい))。

確かに、知識を得ると言う点において、フォトリーディングが用いているアプローチは、私はとても良い物である様に思います。日記でも記しましたが、全体→個別と言うアプローチは、私自身が指向する物でもあります。とはいうものの、読んだ後の充足感を得ると言う点においては、日本の速読法の方が一日の長があると思います(この点に関しては、十倍速く読めるの中で、フォトリーダーよりの反対意見があります)。

個人的には、フォトリーディングの良さは、いろいろな読み方を組み合わせた所にあるのだと思います。一つ一つの方法は、確かに珍しい物ではないのかもしれませんが、いろいろな方法を組み合わせる事で、新たな方法を作り出すと言う事は、素晴らしい事の様な気がします。特に、フォトリーディングホールマインドシステムの中で、無意識の内の摂取した物をいかに自分が意識して取り出す事を可能とするのかと言う事は、面白い様な気がします。

だから、私はフォトリーディングホールマインドシステムを速読法と言うよりも、読書法と位置づけるべきだと思ったりするのです。フォトリーディングホールマインドシステムのフォトリーディングの部分のみを強調されがちですが、私はフォトリーディングが取り込んだ他の速読法との結合の仕方に面白さを感じます。我が国の速読法では、斉藤先生が様々な速読法を組み合わせると言う事は、全くと言って良いほど、行われて来ませんでした。この組み合わせこそが、フォトリーディングの面白さでもあるし、意義ではないかなーと思う私なのです。


注 以前メールを頂いた方に、私はフォトリーディングの一番の長所は、アクティベーションにあると書いた事があります。フォトリーディングの本によれば、一番すごいのはフォトリーディングとなっているのですが、実は私は違った感触を受けています。もちろん、これは私自身がフォトリーダーではないので、何とも言えない所なのですが、私からみますと、フォトリーディングの一番の面白さは、このアクティベーションと言われる段階を設けた事(右脳速読法と左脳速読法の二本立てで構築する事)にあると思います。

ですから、私はフォトリーディングをどちらかというと、右脳速読法とちまたで言われる物の修正形式(問題克服形式)と考えているという事です。


追記 今回少し追記と言う事で補充を行います。基本的に、フォトリーディングに対する認識は変化していないのですが、どうも日本の同団体の動きを見ていて今ひとつ理解できない事があります。それは、神田氏があたかも速読を成功のパスポートと考えているふしがある事です。なんとなく、そう言う考え方に私は抵抗感がありますし、そう言うことを言い出してしまうと、速読その物が怪しい雰囲気に包まれてしまう感じがしないでもありません。まあ、この団体で速読を習った人たちは成功者になっているのかもしれませんが。

 

2002年02月28日      公開
2002年09月07日 追記を補足


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